電話関係の仕事についた方、または通信技術に興味がある方へアナログ電話がどのように通話しているかを簡単に説明します。
この記事を読めばアナログ電話の仕組みを理解できます。
アナログ電話の仕組みってイマイチよくわからないな。
電話局があるのは知っているけど、結局どうやって遠く人と通話しているのかな??
教えて下さい。
アナログ回線について1から解説していくね!
最後まで読めば頭でイメージできます!
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そもそもアナログとは?
アナログとデジタルの違い
アナログとは情報を連続的な量として扱うこと。
わかりやすくすると、アナログ時計の針を見た時に大体「何時何分だな」って見た目で判断できますよね?
この見た目はアナログ時計の針が常に連続して動いているものを目で捉えています。
この曖昧さが『アナログ』の由来、類似や類比を意味する『アナロジー』からきています。
デジタルとは連続するものを段階的に区切り、数字や記号で表現すること。
わかりやすくすると、デジタルは2進数が使われデータを『0・1』で表現します。
ONとOFFみたいな表現ですね。
デジタル時計なんかは秒針を刻むのではなく時刻表示が独立して数字で表します。
アナログは連続した信号、デジタルは区切られた信号って覚えてください!
電話におけるアナログ回線とは?
アナログのイメージはできました!
電話回線のアナログの中身を知りたいです!
アナログ回線とはアナログの信号によって通信する電話回線のことです。
電話機をメタル回線に(銅線に)つなぎ、通話の音声をそのまま銅線にのせて伝えていきます。
よく糸電話のイメージが使われるよね!
話した内容が糸に振動して相手に伝わる。
電話の場合は話した声を電話機が電気に変えて銅線を通じて相手に届いて声に変えるってイメージ!
アナログの回線種別
アナログの回線種別には二種類の方式に分けられます。
- ダイヤル回線
- プッシュ回線
ダイヤル回線とは?
この通信方式は『ダイヤル・パルス方式』DPです。
電話関係の方ならよくDP回線とかパルスとか聞きますよね?
簡単に説明するとパルスとは黒電話とかで発信通知した時に電話機から聞こえる「ジ、ジジ、ジジジジー」みたいな音です。
電話のダイヤルを回した時に聞こえますよね・・・何か時代を感じます。
詳しく説明すると「1」をダイヤルした時に「ツー」っと言う交換機からの発信音に対してパルス信号を「一回切断」します。
「2」をダイヤルしたら「ツー」音を「2回切断」し「0」ダイヤルだと「10回切断」します。
だから黒電話の「0」ダイヤルは一番最後のところにあるんですね!
携帯にかける時に「0」が多いとダイヤルをかなり回す必要が出てきますね。。
プッシュ回線とは?
この通信方式は『トーン信号』PBです。
簡単に説明すると電話をかける時にボタンを押すと「ぴ、ぽ、ぱ」ってなりますよね?それです。
詳しく説明すると、プッシュ回線のこの音は二種類の周波数の組み合わせです。
- 高群周波数 1163〜1477Hz
- 低群周波数 697〜941Hz
この二種類の周波数がボタンごとに割り当てられて、電話を掛ける際に交換機から「ツー」という発信音に対して、「ぴ。ぽ、ぱ、ぽ」っとプッシュ通知を返してやると交換機が認識し電話がかかる仕組みです。
よく口で音真似して電話がかかるかやってみたことがあります。。
相手と通話するまでの道のり
アナログにも回線種別があるんだね。
そうだね!
ここからは実際に話したい音声がどのように相手の耳に聞こえるかポイントごとに説明していくよ!
まず前提に左の人を「A」。右の人を「B」とするよ!
※「A」が「B」にNTTのアナログ回線を使って固定電話から発信することが前提だよ。
❶まず「A」が電話機の受話器を上げます。
「A」が受話器を上げると電話局内にある交換機に発信番号が流れます。
「今から電話をかけますよー」って信号が交換機に流れるってこと。
❷電話局内の交換機は発信信号を送ってきた「A」の電話機に対して「ダイヤルトーン」を返します。
交換機は「A」の電話機に対して「電話かけていいよー」って信号を送り返すってこと。
それを受けた電話機は受話器から「プー」って音を出します。
これが発信かけれる合図です。
受話器からの発信音「プー」なんて体感的には一瞬なんだけどね!
電話機と交換機の間ではこれだけの信号のやりとりがある。
❸「A」が電話機からダイヤルします。
受話器から「プー」って発信音が聞こえたから相手番号を打ちます。
まあ、いつもやることだよね。
❹各交換機は、ダイヤルされた番号を識別し、どこの交換機へ送るか自動的に判別して相手の加入者交換機まで接続します。
市の中にも交換機がいくつもあり、地域ごとに電話番号が割ついています。
東京だと03XXXX〜とか、北海道だと01XXXX〜とか市外局番が決まっていて、その番号ごとに交換機が割ついていて、最終的に相手の最寄りの電話局の交換機に接続する流れです。
❺各電話局の交換機が相互接続したら、「A」の受話器からは呼び出し音、「B」の受話器からは呼び出し信号が流れます。
「A」の受話器からは「プルルル」、「B」の電話機からはその電話機の着信音がなるよ。
❻「B」が受話器を取ると「B」側の電話局の交換機に対して「応答信号」が流れ、接続が完了します。
B側の交換機に対して受話器上げたから「通話できますよー」って信号を返します。
❼「A」と「B」が通話可能になります。
好きなことを話せるね。
❽「A」と「B」が通話を終了します。
早かったですね。
❾どちらかが受話器を置くと「A」側には「切断信号」が、「B」側には「終話信号」が流れ交換機間の通話が終了してことを通知します。
受話器を置くと、「ただ回線を切った」だけではなく、交換機に足して「切断信号、終話信号」を通知して交換機間の接続を切断する信号を出してたんだってこと。
ただ電話をするだけと思ってたけど、電話局間ではこんな仕組みで動いていたんだね!
アナログ回線メリット、デメリットは?
メリット
アナログ回線のメリットは通話が安定しています。
電話局からの電圧が48Vあり、電源を必要としない電話機ではモジュラジャックに電話機を接続するだけで電話が使えます。
黒電話などが使えるのはこのためです。
また、停電なども関係ないため、非常時にも通話ができ便利です。
エレベーターの中にある非常電話や、消防回線、セキュリティー関係の回線はやっぱりアナログ回線が主流だね!
新築マンションの最初の電話工事は大体消防回線用のアナログ回線。
デメリット
やはり1回線に1通話がデメリットになります。
法人回線など複数の回線が必要になるケースはアナログ回線の契約だと基本使用量など料金が高額になってしまいます。
今はひかり電話などで回線数を取得するのが一般的で金額も抑えられます。
また、光回線のような高速インターネットやTVサービスなどのデータのやり取りはできません。
あくまで一回線、1通話で停電に関係なしというところでしょう。
固定電話の歴史
固定電話の歴史は、簡単に紹介します。
歴史は19世紀にさかのぼる。
発明の初期 (1840年代):アレクサンダー・グラハム・ベルが1876年に電話の特許を取得する前、数名の発明家が音声通信の実験を行っていました。
最初の商用電話 (1877年):ベルの電話は商用化され、最初の電話会社「アメリカン・ベル電話会社」が設立されました。
電話網の発展 (1880年代):電話の需要が増加し、交換機の設置が進みました。これにより、利用者同士が直接つながることが可能になりました。
国際電話の普及 (1900年代):電話網が国際的に広がり、長距離通話が可能になりました。
ダイヤル電話の導入 (1920年代):自動ダイヤル電話が普及し、利用者が直接番号を入力できるようになりました。
デジタル技術の導入 (1980年代):アナログからデジタルへの移行が進み、音質が向上しました。また、デジタル交換機が導入され、通信の効率が向上しました。
近年の変化 (21世紀):固定電話の利用は減少傾向にあり、スマートフォンやVoIPサービスの普及が進んでいます。
アナログ回線の今後
アナログ回線の今後についての予測
サービスの廃止:多くの国で、アナログ回線は徐々に廃止されており、特にISDN回線は終了が進んでいます。通信事業者はデジタル技術への移行を進めています。
VoIPの普及:Voice over IP(VoIP)技術が普及し、インターネットを利用した通話が一般的になっています。これにより、アナログ回線はますます利用されなくなるでしょう。
コスト削減:デジタル通信は運用コストが低いため、企業や個人がアナログ回線からの移行を進めています。
新技術の導入:5Gなどの新しい通信技術が普及することで、アナログ回線はますます時代遅れになると予想されます。全体として、アナログ回線は今後さらに減少し、デジタル通信技術が主流になると考えられています。
まとめ
今回は「技術者に向けて」アナログ回線の通話の仕組みを紹介しました。
電話一つかけるだけでも信号のやり取りが複数回発生して成立している。
技術ってすごいですよね!
私も何度も電話局の中に入って作業したことがありますけど、あの回線数とジャンパー線(加入者接続線)は想像以上です!
一回線一回線、局内作業者が配線しています。
電話局に興味のある方はNTT関係の仕事に付きましょう♪
ではまた!
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