VPNとは何か?通信の仕組み、歴史、申し込み方法など細かく解説

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通信の業界にいるとよく聞くこのVPN。

実際に理解してない人も多いハズ。

今回はVPNについて細かく解説していきます。

悩んでる人

VPNってセキュリティが高いイメージ。
結局何なのでしょうか?

筆者はこんなひと
totonet
totonet(トトネット)@totonet6

職業:電気通信設備事業、IT関連事業

  • 手掛けた光工事、電話工事年間1000以上合計2万件以上
  • 工事担任者総合種取得
  • 光回線、電話回線、ネットワーク、最新技術、NFTのことならお任せください!

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目次

VPNとは?

VPNとは「Virtual Private Network」の略で、インターネット上でセキュアな通信を提供する技術です。

VPNを使用すると、データが暗号化され、安全なトンネルを通って送信されるため、プライバシーとセキュリティが向上します。

また、地理的な制約を回避してインターネットにアクセスすることも可能です。

VPNの種類

VPN(Virtual Private Network)にはいくつかの主な種類があります。

  1. リモートアクセスVPN:
  • 個々のユーザーが、インターネットを介して企業ネットワークに安全に接続するためのVPN。従業員が外部から企業リソースにアクセスするのに使用。
  1. サイト間VPN (Site-to-Site VPN):
  • 複数の拠点や支店を、インターネットを通じて相互に接続するVPN。異なる地理的な拠点をセキュアに結ぶために使用され、企業内の通信を強化します。
  1. SSL VPN (Secure Sockets Layer VPN):
  • ウェブブラウザを使用してVPN接続を確立する手法。一般的に、クライアントに専用ソフトウェアをインストールする必要がなく、柔軟性があります。
  1. IPsec VPN (Internet Protocol Security VPN):
  • IPsecプロトコルを使用して通信データを暗号化するVPN。一般的に、リモートアクセスやサイト間VPNにおいてセキュアな通信を提供します。
  1. PPTP VPN (Point-to-Point Tunneling Protocol VPN):
  • Microsoftが開発したVPNプロトコル。過去には広く使用されていましたが、セキュリティ上の問題が指摘され、現在はあまり推奨されていません。

これらのVPNの種類は、異なる使用ケースやセキュリティ要件に応じて選択されます。個々のVPNプロトコルや手法にはそれぞれ特徴や利点があります。

VPNの通信方法

VPNの通信方法

  1. リクエストと確認:
  • デバイス(クライアント)がVPN接続を始めると、サーバーに接続をリクエストします。
  • サーバーはクライアントを確認し、安全な接続を確立します。
  1. 通信の暗号化:
  • データは通常の通信では見られることのない「トンネル」を通ります。
  • このトンネル内ではデータが暗号化され、外部の覗き見から守られます。
  1. データの送信:
  • 暗号化されたデータがインターネット上を移動し、目的地のサーバーに到達します。
  1. 目的地での複合化:
  • サーバーでデータが受信され、暗号化が解除されます。
  • これにより、元の情報が取り出され、通常の通信と同じように扱われます。
  1. 通信終了:
  • データの転送が終わると、安全なトンネルが閉じられ、通常の通信に戻ります。

簡単に言えば、VPNは通信を秘密裏にし、外部の視線から保護するための安全なトンネルを作り出します

VPNのトンネル化とは?

VPNのトンネルができるのは、VPN技術が通信データを安全に暗号化し、専用の経路を確立するからです。

主な理由は以下の通り。

  1. セキュリティの確保:
  • 通信データがトンネル内で暗号化されます。これにより、データが第三者によって傍受されても理解されないため、セキュリティが確保されます。
  1. プライバシー保護:
  • トンネルはプライベートで専用の通信経路を提供し、外部からの観測を防ぎます。ユーザーのプライバシーが保護されます。
  1. 専用の通信経路:
  • VPNのトンネルは特定のVPN接続に対応する専用の通信経路を形成します。これにより、通信が特定の安全な経路を通ることが確実になります。
  1. 地理的な制約の回避:
  • トンネルを通じて通信することで、地理的なブロックや規制を回避できます。これは地域制限つきのコンテンツにアクセスする場合などに有用です。

総じて、VPNのトンネルができるのは、これらの仕組みによって通信データのセキュアな転送が可能になり、ユーザーのプライバシーとセキュリティが向上するから。

VPNの歴史

  1. 初期のコンセプト (1960年代 – 1980年代):
  • VPNのアイデアは、コンピュータネットワークの初期にさかのぼります。リモートアクセスやセキュアな通信の必要性が認識され、専用線を使用して通信を暗号化し、安全な接続を確立する試みが行われました。
  1. PPTPの登場 (1990年代):
  • 1990年代初頭には、Microsoftが開発したPoint-to-Point Tunneling Protocol (PPTP)が登場しました。これは最初の商用VPNプロトコルで、安全な通信を提供しましたが、後にセキュリティ上の脆弱性が指摘されました。
  1. IPsecの採用 (1990年代):
  • Internet Protocol Security (IPsec)が登場し、よりセキュアで堅牢なVPN接続を提供しました。これは標準のセキュリティプロトコルとして広く採用されています。
  1. SSL VPNの台頭 (2000年代):
  • 2000年代に入ると、Secure Sockets Layer (SSL) VPNが台頭しました。これは一般的なウェブブラウザを使用してVPN接続を確立する手法で、利便性が向上しました。
  1. オープンソースのVPN (2000年代以降):
  • オープンソースのVPNソリューションも登場し、OpenVPNなどが広く利用されました。これにより、企業や個人が柔軟なVPN接続を構築できるようになりました。
  1. 商業VPNサービスの普及 (2010年代以降):
  • 2010年代以降は、商業VPNサービスが普及し、一般のユーザーにも手軽に利用できるようになりました。これはセキュアな通信を求めるニーズの拡大を反映しています。

VPNの歴史は、ネットワークセキュリティやリモートアクセスの進化と共に発展してきました。現代では、様々なプロトコルや技術が組み合わさり、セキュアな通信環境を提供しています。

VPNと専用線の違い

VPN(Virtual Private Network)と専用線は、異なるアプローチでプライベートな通信を提供している。

  1. 物理的な接続 vs. 仮想的な通信:
  • 専用線: 物理的な通信回線を使用して、特定の場所と別の場所を専用の回線で接続します。これには高いコストがかかることがあります。
  • VPN: インターネットを介して仮想的なトンネルを作り、通信データを安全に転送します。物理的な専用回線の設置が不要で、コストが低い傾向があります。
  1. コスト:
  • 専用線: 物理的な通信回線を確立するため、導入と維持に高いコストがかかります。
  • VPN: インターネットを使用するため、専用線に比べてコストが低いことが一般的です。
  1. 柔軟性:
  • 専用線: 物理的なインフラが必要なため、拡張や変更が難しい場合があります。
  • VPN: インターネットを使用するため、柔軟に拡張や変更が可能です。新しい拠点やユーザーを追加するのが比較的容易です。
  1. セキュリティ:
  • 専用線: 物理的な通信回線を利用するため、比較的安全性が高いですが、追加のセキュリティ対策が必要です。
  • VPN: インターネット上でデータが転送されるため、VPNプロトコルによって暗号化が行われ、セキュリティが確保されます。
  1. 利用シナリオ:
  • 専用線: 主に企業や組織が拠点間を結ぶために使用され、高い通信品質が求められる場面で利用されます。
  • VPN: リモートアクセス、地理的な制約の回避、低コストなセキュアな通信が必要な場合によく利用されます。

どちらを選択するかは、利用目的や組織の要件によります。高い通信品質と物理的なセキュリティが必要な場合は専用線が選択されることがありますが、柔軟性やコスト面を重視する場合にはVPNが有用です。

VPNを実際に使うには?

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VPNを申し込む手順は以下の通り

  1. VPNサービスの選定:
  • インターネット上で提供されている様々なVPNサービスから、利用目的や要件に合ったものを選びます。有名なVPNプロバイダーにはExpressVPN、NordVPN、Surfsharkなどがあります。
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  1. プランの選択:
  • 選んだVPNサービスのウェブサイトで、提供されているプランやサービスオプションを確認し、適切なものを選択します。一般的には月額や年額のプランがあります。
  1. アカウントの作成:
  • 選んだVPNプロバイダーのウェブサイトで、新しいアカウントを作成します。これにはメールアドレスや支払い情報が必要な場合があります。
  1. 支払い:
  • 選択したプランに基づいて支払いを行います。クレジットカードやPayPal、仮想通貨などが一般的な支払い方法として提供されています。
  1. クライアントソフトウェアのダウンロード:
  • アカウント作成および支払いが完了したら、VPNプロバイダーが提供する専用のクライアントソフトウェアをダウンロードします。一部のプロバイダーは手動で設定するための情報も提供しています。
  1. インストール:
  • ダウンロードしたクライアントソフトウェアをデバイスにインストールします。これにより、VPN接続を管理できるようになります。
  1. ログイン:
  • インストールが完了したら、VPNクライアントに作成したアカウント情報でログインします。
  1. サーバーの選択:
  • VPNクライアントで使用可能なサーバーを選択します。これにより、通信が暗号化されて選択したサーバーを通じて送信されます。
  1. 接続:
  • 選択したサーバーに接続ボタンを押してVPN接続を確立します。これで、VPNが有効になり、セキュアな通信が可能になります。

これらの手順に従ってVPNを申し込み、利用開始できます。

VPNを利用しているユーザー

VPNを利用している人は多岐にわたりますが、一般的にはこんな方々。

  1. プライバシー重視の個人:
  • インターネット上でのプライバシーを重視し、自身のオンラインアクティビティを匿名化したい個人がVPNを利用します。特に、ISP(インターネットサービスプロバイダ)や第三者からのトラッキングを避けるために使用されます。
  1. セキュアな通信を求めるビジネスユーザー:
  • 企業やビジネスユーザーは、リモートアクセスや業務用途でVPNを使用してセキュアな通信を確立します。従業員が外部から安全に企業ネットワークにアクセスするために利用されます。
  1. 地理的な制約の回避を希望する人:
  • 特定の地域での制限がある場合、例えばウェブサイトやストリーミングサービスへのアクセスが制約されている場合、VPNを使用して地理的な制約を回避する人がいます。
  1. セキュアな公共Wi-Fiの利用者:
  • 公共のWi-Fiネットワークはセキュリティが弱いため、VPNを利用してデータを暗号化し、セキュアな通信を確保する人がいます。カフェや空港などでの利用が一般的です。
  1. オンラインセキュリティに敏感なユーザー:
  • インターネット上の脅威から保護された状態でオンラインで活動したいと考えるユーザーがVPNを利用します。これにより、マルウェアや不正アクセスからの保護が期待できます。

総じて、VPNは個人と企業の両方にとって、プライバシーとセキュリティを向上させる手段として広く利用されています。

VPNのルーターは必要?

VPNルーターは必要とされる場合がありますが、必ずしも全ての状況で必須とは言えません。以下はVPNルーターの利点と適切なケース。

VPNルーターの利点:

  1. ネットワーク全体の保護:
  • VPNルーターを使用すると、ネットワーク内の全ての接続されたデバイスが一度にVPNに接続できます。これにより、ネットワーク全体の通信が暗号化され、セキュリティが向上。
  1. 特定のデバイスの設定不要:
  • VPNルーターを使用すれば、各デバイスでVPNの設定を行う必要がなくなります。ネットワークに接続される全てのデバイスが自動的にVPNを利用できます。
  1. リモートアクセスの簡略化:
  • リモートから自宅や企業ネットワークにアクセスする際、VPNルーターが使用されればリモートデバイスが簡単にネットワークに参加できます。

VPNルーターが必要なケース:

  1. 家庭内または小規模オフィスの全デバイスを保護したい場合:
  • 家庭内や小規模オフィスで多くのデバイスが利用されており、それら全てを一括してVPNで保護したい場合にVPNルーターが役立ちます。
  1. ネットワーク全体の一元的な管理が必要な場合:
  • ネットワーク全体のVPN接続を一元的に管理したい場合、特にビジネス環境ではVPNルーターが便利。
  1. リモートアクセスが頻繁に発生する場合:
  • リモートアクセスが頻繁に発生する場合、例えばリモートワーカーや出張者が多い場合、VPNルーターがリモートアクセスの手続きを簡略化。

ただし、VPNルーターを導入するかどうかは具体的なニーズや状況に依存します。一般の利用者や小規模なネットワーク環境では、単にVPNクライアントをデバイスごとに導入するだけでも十分な場合があります。

まとめ

VPN(Virtual Private Network)についてまとめ

  • 定義: VPNは、インターネットを通じて仮想的なプライベートネットワークを構築し、安全な通信を提供する技術。
  • 主な利点:
  1. セキュリティ向上: 通信データを暗号化し、セキュリティを強化します。
  2. プライバシーの保護: オンラインアクティビティを匿名化し、プライバシーを守ります。
  3. 地理的な制約の回避: 制約がある地域のコンテンツにアクセスできます。
  • 主な種類:
  1. リモートアクセスVPN: 個々のユーザーが安全に企業ネットワークに接続します。
  2. サイト間VPN: 複数の拠点や支店を安全に接続します。
  3. SSL VPN: ウェブブラウザを使用してVPN接続を確立します。
  4. IPsec VPN: IPsecを使用して通信を暗号化します。
  • 実際の利用:
  • プライバシー保護のための個人利用や、ビジネス環境でのセキュアな通信やリモートアクセスに広く使用されます。
  • 注意点:
  • 信頼性のあるVPNプロバイダーを選択し、セキュアな設定を行うことが重要です。

VPNはセキュアな通信やオンラインプライバシーの向上、地理的な制約の回避に役立つ技術。

ではまた!

totonet
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