【工事者が解説】光回線の工事日に開通工事が中止なることはあるのか?(NTT、コラボ)回避する方法も解説

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新築や引っ越し、新店舗などでほぼ必須になっている光回線。

待ちに待った開通日当日

絶対に工事完了できるよね?って思っていると危険です。

ではどうして工事が中止になることがあるのか?

この記事では光回線の工事が当日中止になるケースを紹介します!

ご自身で回避できるケースもあるので事前に調整することをおすすめします。

悩んでる人

工事できませんって当日言われたら困ります。

totonet

実は工事日当日に工事が中止や延期になることは少なくない
なぜそうなってしまうのかを説明します!
事前に回避できるケースもあるから解説していきます。

筆者はこんなひと
totonet
totonet(トトネット)@totonet6

職業:電気通信設備事業、IT関連事業

  • 手掛けた光工事、電話工事年間1000件以上合計2万件以上
  • 工事担任者総合種取得
  • 光回線、電話回線、ネットワーク、最新技術のことならお任せください!

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目次

戸建て、アパート、店舗のファミリータイプが中止になるケース

中止

戸建て、アパート、店舗と建物の構造に違いがあるから別々に紹介します。

その前にファミリータイプとは電柱から設置場所まで光ファイバーを新設する工事(ビルによっては光設備が設置済みで電柱から新設しないケースも有る)。

引き込み画像

出典:NTT東日本
totonet

工事のイメージはこんな感じ。
アパートもそんなに変わらないかな。

戸建ての工事中止のケース

中止になる主な7ケース

  • 外壁ビス止め不可
  • 配管劣化
  • 穴あけ不可
  • 外構中
  • 悪天候
  • 光設備が近くの電柱にない
  • 他人の敷地を光ケーブルが通過する
totonet

7ケースを簡単に説明します。

外壁ビス止め不可

ビス

光ケーブルを電柱から家屋に止めるのにビスで固定する必要があります。

ビスを打たないと光ケーブルが垂れ下がったり、故障の原因になったり、車に引っかかる可能性がある。

ビス止めを拒否する場合は工事は中止

工事立会者が家主でなければ事前にビス止めの許可を確認しておこう

配管の劣化

家の壁の中に電話用、光用の配管が敷設してある。

しかし、劣化により壁の中で割れていることが稀にあり、光ケーブルを通すことが出来ない。

配管に光ケーブルが通らなければ、家の外壁に這わして露出配線するか、ご自身で配管業者に劣化配管の修繕を依頼し、配管修繕後に光工事の再工事を手配するかの二択になります。

穴あけ不可

穴あけ画像

出典:NTT東日本

光回線を設置したい場所に配管がない、エアコンダクトもない場合は外壁穴あけ工事なります。

自宅に穴なんて開けたくないよ!って方は中止です。

外構中

新築の開通工事でよくあるのが他事業者と作業場所のバッティング。

光の開通時は外壁に7mほどのハシゴや高所作業車を使用する必要があります

新築の場合は外構中でコンクリートが固まってなくハシゴが建てられなかったり、地面に穴が空いていたりすることがある。

当日、作業者の判断で安全に作業が出来なければ中止になります

開通日と外構のスケジュールを把握し調整しましょう

悪天候

開通工事は高所作業車、ハシゴを使用して作業します。

悪天候とは労働安全衛生法で基準が設けられている

●強風・・・10分間の平均風速が毎秒10m以上

●暴風・・・瞬間風速が毎秒30mを超える風

●大雨・・・1回の降雨量が50mm以上

●大雪・・・1回の降雪量が25cm以上

●中震以上の震度・・・震度階数4以上

この条件を満たしている場合、作業は中止なります。

また、作業者の命、安全を確保するため、悪天候が予想される天候時も作業は中止します

totonet

急な突風や雷に打たれる可能性があるからね。
大雨や、強い風の日、雪が降ってる日は工事が中止になる可能性は高いと思ってたほうがいいですね。

光設備が近くの電柱にない

工事の申込みが確定後、開通する住所を元に、光の設備が近くの電柱にあるか設備検討が発生します。

あくまでシステムで検討しているため、当日現地と相違が発生することが稀にある。

特に発生しやすいのが、新築地帯で住所が曖昧、山の中、同じ住所が多数ある場所

これを発生させないためには受付した際に住所を間違えないこと、詳細な地図があれば共有しておきましょう

他人の敷地を光ケーブルが通過する

住宅街などは殆ど無いと思いますが、後から土地を分けている立地の場合は電力線やTV線、電話線などが隣の敷地の上空を通過している場合があります

このようなケースは新たに電柱を建柱できない、立地上そのルートしか引き込み出来ない可能性が高い

工事日、工事担当者が隣の敷地の住人へ光ケーブルの上空通過の説明に行くとは思いますが、土地所有者と話が出来なければ中止になります。

もしご自身で事前に判断できれば上空通過の許可を取っておきましょう

totonet

不在で勝手に上空通過は出来ないからね。
あとでトラブルのもとになる。

アパートの工事中止のケース

アパートでは戸建ての工事中止の7パターンの内全てが該当し、更に2パターンが追加になります。

7パターンは戸建てを参照してください

  • 外壁ビス止め不可
  • 配管劣化
  • 穴あけ不可
  • 外構中
  • 悪天候
  • 光設備が近くの電柱にない
  • 他人の敷地を光ケーブルが通過する
  • オーナー及び管理会社の未承諾
  • 電話設備室、設備盤の施錠

オーナー及び管理会社の未承諾

賃貸物件は必ずオーナー及び管理会社の導入許可が必須です。

光回線を申し込む前に個別に光回線を導入して良いか確認しましょう。

物件の中には個別導入不可、決まった光回線のみ使用可能などの制約が場合があったり、そもそも穴あけNG、ビス止めNGの管理会社も少なくないので必ず事前に確認しよう。

導入未許可は中止になります。

電話設備室、設備盤の施錠

建物によってはMDF室と呼ばれる電話用の設備室ば設けられています

電話の設備室がある建物では光ケーブルを引き込む際にこの設備室に入室して配線を通す必要がある。

この設備室は管理会社によって違いはあるが、基本的には施錠されています

設備室や設備盤が解錠できなければ工事は中止になる。

事前に管理会社へ光工事の際に解錠する場所があるか確認しよう。

店舗、テナントで工事中止のケース

店舗、テナントでの中止になるパターンは主に4パターンです。

主に商業施設、テナントビルの店舗が対象。(戸建て店舗は戸建てケースが該当します。)

  • 営業中
  • 配管がない
  • 他テナントに入室しなければならない
  • 申請が出ていない

営業中

脚立作業

結構多いのが営業時間中に工事を申し込んでるケース。

店内に脚立を立てて天井裏を配線したりすることがあります

特に飲食店などは食事している方の近くで作業は出来ません。

ホコリが舞いますからね。

また、商業施設では共用部の廊下で脚立作業は日中NGの場合がほとんどです。

店舗内作業はOKでも館内の作業が出来ませんので、事前に作業可能時間の確認を施設の管理者と確認しておきましょう。

配管がない

光ケーブル用の配管が用意されてなければ光ケーブルは引くことが難しいです。

点検口などが適度にあれば引くことが可能ですが、天井裏はケーブルが輻輳しているので中止になる場合がほとんど。

事前に内装業者の方へ光回線を導入する旨を伝えておきましょう

また、商業施設などの新設配管は施設の指定業者がいることが多いので必ず施設管理者にも相談してください

totonet

現場調査で事前に光導入の確認ができるから受付に確認してみよう。
ただ、現場調査は有料の場合が多いから料金は確認してね!

他テナントに入室しなければならない

テナントビルなどで多いのがこのケース。

光ケーブルの設備が自分のフロア階にあれば問題ないが、違う階にある場合はその階まで配線する必要がある。

配線の仕方はIDFやEPSと言われる設備盤や設備室を通過させて各階を配線していく

大きなビルはこのIDFやEPSが廊下や共有部に設置されていることが多いが、1フロア1テナントのような規模のビルではIDFやEPSがテナント内に設置されていることが多い

この場合、その他テナント内のIDFやEPSで配線作業する必要があるので、当日入れなければ中止になる。

事前に現場調査の依頼をし、工事日の調整をおすすめします。

totonet

急に当日、他テナントの方に説明しても荷物があったり、営業中だったりしてほとんど入ることはできない。
現場調査なしの開通工事は中止率が高い。

作業申請がでていない

商業施設や管理人がいるビルでは作業申請が必要です。

作業申請が出ていなければ工事業者が入室することが出来ません

申請無しで中止になるケースが多いので注意しましょう。

事前に必要事項を記入し申請しておきましょう。

マンションタイプVDSL,LAN,光配線方式が中止なるケース

中止画像

マンションタイプの中止は戸建てほど多くはないが、やはり何パターン化存在します。

タイプ別に紹介します。

マンションVDSL、LANタイプが工事中止になるケース

VDSL概要

出典:NTT東日本

マンションVDSL、LAN配線方式タイプは工事内容がほぼ同一のため一緒に紹介します。

中止になるケースは2パターンです。

  • MDF室が解錠できない
  • 配線が劣化している

MDF室が解錠できない

VDSLタイプ、LANタイプが導入されている建物には必ず集合装置と呼ばれる光回線のメイン装置が存在します。

この集合装置が置いてある場所がMDF室やEPS室、盤室、NTT室等。

建物の構造により集合装置の置き場所は異なりますが、基本的には施錠してある部屋の中にあることが多い。

MDF室の解錠には当然鍵が必要ですが、殆どの場合、管理人か管理会社が保有しています。(稀にNTTでスペアキーを保有していることもある)。

工事の日程や時間帯を管理会社や管理人へ連絡していないと工事は中止になります。

MDF室が開かないと工事できませんからね。

totonet

管理人が休みの日に開通日を申し込んでる人が結構多いから、よく確認してから日程は決めましょう!

配線が劣化している

LANのタイプはほとんど劣化による影響はないですが、VDSLタイプは2芯の電話線を利用するため、築年数により配線の劣化状況が悪化しやすい

電話線の腐食や接続状況によりVDSL信号が光モデムまで到達しないことがある

電話線を有料で引き直すことができれば問題ないが、マンションで配線の引き換えは困難な建物が多い。

配線の引き換えができない場合は中止になります

マンションタイプ光配線方式が工事中止になるケース

光配線方式

出典:NTT東日本

光配線方式は光ケーブルを部屋の中まで配線します。

工事が中止になるケースは2パターンです。

  • 配管が劣化している
  • MDF室、MDF盤が施錠されている

配管が劣化している

光配線方式は建物の共有部やMDF室にある光設備(スプリッタ)から光ケーブルを部屋の中まで配線し回線終端装置に接続します。

その際、戸建てと同様に電話用、光用の配管を利用し通線していきます。

この配管は築年数の経過により劣化し、亀裂したり錆びついたりしてしまうことが多い

通線できなければ工事は中止になります。

改善策としては管理会社に修繕の相談をするか、回線事業者へ現場調査を依頼し別の導入方法があるか見てもらう事をおすすめします。

MDF室、MDF盤が施錠されている

光配線方式もVDSLタイプと同じようにMDF室やMDF盤に光設備が設置されていることが多い。

世帯数の多いマンションは施錠されていることが多いため、MDF室やMDF盤が解錠出来ないと工事は中止になる。

工事の日程を決める際は管理人や管理会社へ工事可能曜日や時間帯を確認してから決めましょう。

totonet

土日休みの管理人さんも多いから日程は確認しよう。

光回線が開通できない・・

こまった人

NTTの工事会社に開通不可と言われてしまった。

この部屋ではインターネットはできないのか?

悩んでる人

インターネットは光回線のイメージがあるけど他になにかありますか?

totonet

インターネットは様々な事業者が提供しているから、光回線が提供できない場所には別の回線も検討してみよう!

光回線以外の選択肢

もし光回線が開通できなければ他におすすめはこの3種類。

  • ホームルーター
  • モバイルルーター
  • ケーブルテレビ

ホームルーター

ホームルーターとはモバイル回線を使ってインターネット通信を可能にする自宅据え置き型ルーターのことを言います。

コンセントに刺して通電させれば、Wi-Fiの電波が発生しインターネットができるようになります。

面倒な工事が必要ありません。

ドコモやソフトバンクでも提供していますよ!

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モバイルルーター

モバイルルーターとはモバイル回線を使ってインターネット通信を可能にする携帯型ルーターのことを言います。

持ち運べるように設計されているため仕事先や旅行先でもWi-Fi環境を作ることが出来ます

ただホームルーターと比べると電波の強度が劣るため、利用用途で選ぶ必要はある。

【VisionWiMAX】

ケーブルテレビ

ケーブルテレビは電波ではなくデレビ放送で使用している同軸ケーブルを使用してインターネット通信を可能にします。

Wi-Fiなどは電波状況によって速度が左右される。

ケーブルテレビなら利用時の快適性は問題ないでしょう。

もともとケーブルテレビ加入済みの建物のなら大きな工事は不要です。

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悩んでた人

光回線が引けなくても色々な回線があるんですね!
自分にあったプランや速度を確認してみます。

まとめ

戸建ての工事中止のケース

  • 外壁ビス止め不可
  • 配管劣化
  • 穴あけ不可
  • 外構中
  • 悪天候
  • 光設備が近くの電柱にない
  • 他人の敷地を光ケーブルが通過する

アパートの工事中止のケース

  • オーナー及び管理会社の未承諾
  • 電話設備室、設備盤の施錠
  • 戸建てパターン含む

店舗、テナントで工事中止のケース

  • 営業中
  • 配管がない
  • 他テナントに入室しなければならない
  • 申請が出ていない

マンションVDSL、LANタイプが工事中止になるケース

  • MDF室が解錠できない
  • 配線が劣化している

マンションタイプ光配線方式が工事中止になるケース

  • 配管が劣化している
  • MDF室、MDF盤が施錠されている

光回線以外の選択肢

  • ホームルーター
  • モバイルルーター
  • ケーブルテレビ

実際に工事を担当している私からの意見は開通不可率は数%ほどです。

殆どの工事が当日に開通できます。

ただ、事前に準備できることはしておくと、より開通率が高まるのは確実です!

この記事が少しでも参考になればと思います。

ではまた!

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こちらのサイトへ足を運んでくれてありがとうございます! totonet(ととねっと)と申します。 現在、通信関係の仕事をしています。 このサイトでは通信関係を中心に長年培った現場のノウハウや知識, 最新のIT技術などを提供していきます! 資格は工事担任者総合種、電気工事士2種等保有しております。 雨の日も風の日も光回線、電話回線、ネットワーク回線と作業しております。 ぜひ、現場の生の知識を参考に!

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